CGEモデル

EUのCBAM(炭素国境調整措置)についての論文の公開

早稲田大学の有村俊秀先生と共同でおこなったEUのCBAMについての研究をまとめた論文が出版されました。以下の場所にあります。 https://doi.org/10.1016/j.japwor.2024.101242 EUが導入したCBAM(炭素国境調整措置)がもたらす影響を、応用一般均衡モデル(c…

GAMS Connect(gdxxrwに代わるもの)

私はGAMSを利用するときに、データをExcelファイルからインポートしたり、計算結果をExcelファイルにエクスポートするということをよくおこないます。その際に、gdxxrwというGAMSに付属のプログラムを利用します。 どのようにExcelとデータのやりとりをする…

応用一般均衡分析に関する論文

内閣府の『経済分析』に以下の論文を書きました。 武田史郎 (2023),「カーボン・ニュートラルに向けた政策の経済効果のモデル分析」,内閣府経済社会総合研究所『経済分析』,第 206 号, pp.199–219,https://www.esri.cao.go.jp/jp/esri/archive/bun/bun20…

EUのCBAM(炭素国境調整措置)についての論文

EUは現在CBAM(carbon border adjustment mechanism、炭素国境調整措置)の導入を検討しています。CBAMとは、簡単に言うと、CO2などの温室効果ガスの排出規制が緩い国からの輸入財に対して、その炭素含有量に応じて税金(関西)を課すというような政策のこと…

ホームページの更新

ホームページ内の「GAMS & CGE分析についての様々な情報」 というページを更新。 ずっとほったらかしにしていたので、リンク切れなどがたくさんあったのを修正し、さらに自分で書いた(ブログなどの)文書へのリンクをたくさん追加しました。

GAMSのマニュアル

以前はGAMSには主なマニュアルとして以下の二つがありました。 公式の「GAMS: A User's Guide」 McCarl GAMS User Guide 上がGAMSの開発元が直接作成しているもので、下は Bruce McCarl が独自に作成したものです。上は公式のマニュアルですが、公式のマニュ…

CGE分析の成立過程

↓のページ、EYという会社のページのようですが、なぜかそこでCGE分析の成立過程と概要について説明されています。 CGE分析の成立過程および概略 このページのCGE分析についての説明は事実と異なる部分が多いと思います。非常に短い文章ですので、直接リンク…

応用一般均衡モデルによる炭素税の地域別効果の分析

カーボンプライシングのフロンティア カーボンニュートラル社会のための制度と技術日本評論社Amazon 最近、↑の書籍が発売されましたが、この中に私が執筆した以下の論文が含まれています。 武田史郎(2022)「応用一般均衡モデルによるカーボンプライシング…

CGEモデルはブラックボックスか?

以下のサイト、CGE分析のレクチャーを提供する会社(組織)のサイトです。 このページの最初に以下のような説明があります。 CGE models are NOT 'black boxes'. Given an understanding of general equilibrium (GE) microeconomics, and some macroeconomi…

応用一般均衡分析用のデータ作成プログラム

応用一般均衡分析(CGE分析)用のデータ作成プログラムを GitHub の以下の場所に置きました。 Japanese_SAM_for_CGE これは「日本の産業連関表」と「3EID データ(CO2 排出量のデータ)」を CGE 分析で利用しやすくするための GAMS のプログラムです。具体的…

応用一般均衡分析入門のアップデート

『応用一般均衡分析入門』のページにある応用一般均衡分析(CGE分析)の入門用の解説書をアップデートしました。 ちょこちょこ修正はしていましたが、今回は大きく変更している部分があります。具体的には、第7章、第15章で日本の産業連関表のデータを利用し…

空間的応用一般均衡モデル(Spatial CGEモデル)

応用一般均衡モデル(computable general equilibrium model、CGEモデル)に「空間応用一般均衡モデル(Spatial CGEモデル、SCGEモデル)」というものがあります。 経済学で「空間(spatial)」という用語が使われる場合は、いわゆる「Spatial economics(空…

環境研究推進費のシンポジウム(2021年11月26日)

私が参加している環境研究推進費のプロジェクト「暗示的炭素価格を踏まえたカーボンプライシングの制度設計-効率性と地域経済間の公平性を目指して-」のシンポジウムが2021年11月26日(金)14:00-16:35に開催されます。 https://www.carbonpricing.net/sym…

日本の環境税制改革(二重の配当仮説)についての研究

早稲田大学の有村俊秀先生との共同研究である以下の論文が公刊されました。 Takeda, S., Arimura, T.H. (2021) "A computable general equilibrium analysis of environmental tax reform in Japan with a forward-looking dynamic model." Sustainability S…

応用一般均衡分析の解説書のアップデート

以下のページに置いてある応用一般均衡分析の解説書をアップデートしました。 https://shirotakeda.github.io/ja/research-ja/cge-howto.html といっても、ほとんど内容は変更していないです。LaTeX を使って作成している文書ですので、クラスファイルを変更…

応用一般均衡分析とCGE分析

私の研究の専門は"computable general equilibrium analysis"という分野です。略してCGE analysisになります。これを日本語ではよく「応用一般均衡分析」と呼びます。しかし、"computable general equilibrium analysis"の正確な日本語訳は「計算可能な一般…

MPSGEについての文書の改訂

「このページ」に GAMSの MPSGE の利用方法について説明した文書を置いています。まだ書きかけでずっとほったらかしにしていたのですが、久しぶりに内容を追加しました。 モデルの例として、1) 排出権取引による排出規制のモデル、2) 炭素税による排出規制の…

国際間の排出量取引の論文のシミュレーションのプログラム

「ここのページ」 で紹介した、国際間の排出量取引を分析した論文で使っているシミュレーションのプログラムを以下のページで公開しました。 関心のある方は見てみてください。 https://shirotakeda.github.io/en/research/cge-iet.html プログラムはGAMSで…

カーボンプライシングと二重の配当についての記事

週刊東洋経済に早稲田大学の有村俊秀先生と「カーボンプライシング(炭素価格政策)」についての記事を書かせてもらいました。以下のページの記事です。 脱炭素社会への切り札、カーボンプライシング 有村 俊秀:早稲田大学政治経済学術院教授 / 武田 史郎…

国際間の排出量取引についての論文

早稲田大学の有村先生、山形大学の杉野先生と共同で執筆していた国際間の排出量取引についての以下の論文が「Envrionmental and Resource Economics」に掲載されました。 Takeda, Shiro, Arimura, Toshi H. and Sugino, Makoto (2019) "Labor Market Distort…

GAMS Studio

2018年4月11日に GAMS の 25.1.0 の Betaバージョンがリリースされました。 https://www.gams.com/beta/ その 25.1.0 Beta から「GAMS Studio」というIDE(統合開発環境)が提供されるようになりました。GAMS Studioの詳しい説明は「こちらのページ」にあり…

(物価)指数の理論

今、CGE分析での指数(物価指数、数量指数)の扱い方について調べています。それで経済学の指数の分野の文献をいろいろ見てるのですが、経済学で指数というとやはり「物価指数」が特に重要な分野になるようなので、物価指数の計算という観点からの文献が多い…

GMS-Managerというソフト

「GMS-Manager」 という GAMS のプログラムを書くための統合開発環境(IDE)がつくられたようです。https://www.gms-manager.com/ というサイトからダウンロードできます。 GAMS のプログラムを作成するための IDE としては、GAMS に付属の GAMS-IDE という…

温暖化対策に関するシンポジウム

2017年12月15日(金)に、東京日本橋にある「早稲田大学WASEDA NEOホール」において、「パリ協定とカーボンプライシング-各国の政策動向と日本の長期削減目標に向けて-」という温暖化対策に関するシンポジウムが開催されます。誰でも申し込めば参加できる…

国境調整措置に関する論文のシミュレーションのプログラム

昔、温暖化対策の国境調整措置について以下のような論文を書きました。 Takeda, S., Tetsuya, H., & Arimura, T. H. (2012). A Computable General Equilibrium Analysis of Border Adjustments Under the Cap-and-Trade System: A Case Study of the Japane…

新しい GTAPinGAMS(GTAP9用)

もうリリースされてからかなり経つのですが、 LANZ, Bruno; RUTHERFORD, Thomas F. GTAPinGAMS: Multiregional and Small Open Economy Models. Journal of Global Economic Analysis, [S.l.], v. 1, n. 2, p. 1-77, dec. 2016. ISSN 2377-2999. Available a…

新しいシミュレーションの論文とそのプログラム

以下の論文を書きました。 武田史郎(2017)「排出量取引と自主的行動によるCO2削減の効果-応用一般均衡 モデルによる分析-」,『環境科学会誌』,30(2),pp.141-149http://doi.org/10.11353/sesj.30.141 これは応用一般均衡モデルを用いて次の二つを分析…

CGE 分析の特徴、利点、欠点

「応用一般均衡(CGE)分析の解説文書」というページで、CGE 分析(応用一般均衡分析)の解説をしています。これらの文書を読めば CGE モデルを作成して、CGE 分析をできるようになると思います。しかし、そもそも CGE 分析をおこなう利点、必要性については…

応用一般均衡(CGE)分析の解説文書(2017-04-02)

「応用一般均衡(CGE)分析の解説文書」に Part 15 を追加しました。Part 14 までずっと仮想的なデータを用いたモデルでしたが、ここでやっと日本のデータを用いた CGE モデルを作成しています。 実際のデータを利用したモデルを作成する説明ができたという…

応用一般均衡(CGE)分析の解説文書(2017-03-17)

久しぶりに「応用一般均衡(CGE)分析の解説文書」というページに文書(Part 13 と Part 14)を追加しました。また既存の文書も(少しですが)改訂しました。 Part 13 では CGE 分析における「投資」の扱い方について説明しています。ただし、モデルとしては…