研究

応用一般均衡分析に関する論文

内閣府の『経済分析』に以下の論文を書きました。 武田史郎 (2023),「カーボン・ニュートラルに向けた政策の経済効果のモデル分析」,内閣府経済社会総合研究所『経済分析』,第 206 号, pp.199–219,https://www.esri.cao.go.jp/jp/esri/archive/bun/bun20…

「市村地球環境学術賞」

この度、早稲田大学政治経済学術院の有村俊秀先生と青山学院大学経済学部の松本茂先生と共同で、「リコー(RICOH)」の創業者である「市村清 」氏が設立した「市村新技術財団」が授与する「市村地球環境学術賞」を受賞することになりました。「市村地球環境…

EUのCBAM(炭素国境調整措置)についての論文

EUは現在CBAM(carbon border adjustment mechanism、炭素国境調整措置)の導入を検討しています。CBAMとは、簡単に言うと、CO2などの温室効果ガスの排出規制が緩い国からの輸入財に対して、その炭素含有量に応じて税金(関西)を課すというような政策のこと…

ホームページの更新

ホームページ内の「GAMS & CGE分析についての様々な情報」 というページを更新。 ずっとほったらかしにしていたので、リンク切れなどがたくさんあったのを修正し、さらに自分で書いた(ブログなどの)文書へのリンクをたくさん追加しました。

CGE分析の成立過程

↓のページ、EYという会社のページのようですが、なぜかそこでCGE分析の成立過程と概要について説明されています。 CGE分析の成立過程および概略 このページのCGE分析についての説明は事実と異なる部分が多いと思います。非常に短い文章ですので、直接リンク…

応用一般均衡モデルによる炭素税の地域別効果の分析

カーボンプライシングのフロンティア カーボンニュートラル社会のための制度と技術日本評論社Amazon 最近、↑の書籍が発売されましたが、この中に私が執筆した以下の論文が含まれています。 武田史郎(2022)「応用一般均衡モデルによるカーボンプライシング…

CGEモデルはブラックボックスか?

以下のサイト、CGE分析のレクチャーを提供する会社(組織)のサイトです。 このページの最初に以下のような説明があります。 CGE models are NOT 'black boxes'. Given an understanding of general equilibrium (GE) microeconomics, and some macroeconomi…

応用一般均衡分析用のデータ作成プログラム

応用一般均衡分析(CGE分析)用のデータ作成プログラムを GitHub の以下の場所に置きました。 Japanese_SAM_for_CGE これは「日本の産業連関表」と「3EID データ(CO2 排出量のデータ)」を CGE 分析で利用しやすくするための GAMS のプログラムです。具体的…

応用一般均衡分析入門のアップデート

『応用一般均衡分析入門』のページにある応用一般均衡分析(CGE分析)の入門用の解説書をアップデートしました。 ちょこちょこ修正はしていましたが、今回は大きく変更している部分があります。具体的には、第7章、第15章で日本の産業連関表のデータを利用し…

空間的応用一般均衡モデル(Spatial CGEモデル)

応用一般均衡モデル(computable general equilibrium model、CGEモデル)に「空間応用一般均衡モデル(Spatial CGEモデル、SCGEモデル)」というものがあります。 経済学で「空間(spatial)」という用語が使われる場合は、いわゆる「Spatial economics(空…

環境研究推進費のシンポジウム(2021年11月26日)

私が参加している環境研究推進費のプロジェクト「暗示的炭素価格を踏まえたカーボンプライシングの制度設計-効率性と地域経済間の公平性を目指して-」のシンポジウムが2021年11月26日(金)14:00-16:35に開催されます。 https://www.carbonpricing.net/sym…

MendeleyからZoteroへの移行

数年間、文献の情報、文献のファイルの管理に Mendeley を利用してきましたが、昨年から Zotero に乗り換えました。 Mendeley で扱っていた文献データを Zotero へ移行することも可能ですが、以下のページで説明されているように、それには一度古いバージョ…

GAMS における文字コード

[注]以下の話は MS Windows で GAMS を利用する際の話です。Windows上でしか動かないgdxxrw.exeというプログラムに関連する話ですので。 昔の Windows 上の GAMS は日本語を含むプログラムのファイルの文字コードとして Shift JIS しか扱えませんでしたが…

応用一般均衡分析の解説書のアップデート

以下のページに置いてある応用一般均衡分析の解説書をアップデートしました。 https://shirotakeda.github.io/ja/research-ja/cge-howto.html といっても、ほとんど内容は変更していないです。LaTeX を使って作成している文書ですので、クラスファイルを変更…

新しい書籍「Carbon Pricing in Japan」

私も二つの章を担当した「Carbon Pricing in Japan」という書籍が出版されました。 有村俊秀先生(早稲田大学)と松本茂先生(青山学院大学)のお二人が編集をされた本です。タイトル通り、日本における炭素税価格(温暖化対策)などについての研究をまとめ…

ノーベル経済学賞の意義

今年のノーベル経済学賞はオークションの専門家のアメリカ人の二人が受賞しました。 よく言われることなのですが、ノーベル経済学賞はアメリカ人の受賞が圧倒的に多いです。Wikipedia を見てみてください。 ノーベル経済学賞 - Wikipedia ただでさえアメリカ…

生涯効用の計算(つづき)

前の記事「生涯効用の計算」で書いたように、林貴志先生の『ミクロ経済学(増補版)』(以下、林テキスト)で、生涯効用や期待効用についての、序数性、基数性の問題が扱われています。効用の序数性、基数性についてこの教科書ほど深く扱っているものはない…

生涯効用の計算

一個前の記事「負の値をとる変数の変化率(?)」で、負の値をとる変数の変化率の話を書きました。なぜそんなことを書いたのかというと、動学モデルで生涯効用の計算をする必要があったからです。 「生涯効用」 マクロ経済学などでは家計の動学的な最適化行…

負の値をとる変数の変化率(?)

注(2021年5月1日追記) このページは「マイナスの値をとる変化率」のことではなく、「マイナスの値をとる変数の変化率」の話をしています。 今まで変数の変化率は最初の値がゼロでなければいつでも定義(計算)できるとばかり思っていたのですが、馬鹿みた…

応用一般均衡分析とCGE分析

私の研究の専門は"computable general equilibrium analysis"という分野です。略してCGE analysisになります。これを日本語ではよく「応用一般均衡分析」と呼びます。しかし、"computable general equilibrium analysis"の正確な日本語訳は「計算可能な一般…

20年前のMOディスク

私がはじめてパソコンを購入したのは早稲田の大学院修士課程に入学した頃ですので、1996年頃だったと思います。ただ、あまりスペックが高いパソコンではなく、しかも家はネットの通信環境がよくなかったので(ダイアルアップだったので)、大学のパソコンル…

論文における参考文献の形式・情報

昔は経済学では研究は個人でおこなうことが多く、論文も単著が多かったと思いますが、今では経済学でも共同研究が多くなり、論文も共著が増えてきました。正確な割合はわかりませんが、半分以上の論文は共著論文じゃないかと思います(単なる私の印象ですが…

BibTeX用の文献データベース

昔は bib ファイル(BibTeX用のデータベース)は自分で作成するものでした。しかし、最近はネットから bib ファイルの情報を入手したり、文献データベースソフトから bib ファイルを作成できるようになりました。英語の論文なら、例えば 雑誌の出版社のペー…

MPSGEについての文書の改訂

「このページ」に GAMSの MPSGE の利用方法について説明した文書を置いています。まだ書きかけでずっとほったらかしにしていたのですが、久しぶりに内容を追加しました。 モデルの例として、1) 排出権取引による排出規制のモデル、2) 炭素税による排出規制の…

国際間の排出量取引の論文のシミュレーションのプログラム

「ここのページ」 で紹介した、国際間の排出量取引を分析した論文で使っているシミュレーションのプログラムを以下のページで公開しました。 関心のある方は見てみてください。 https://shirotakeda.github.io/en/research/cge-iet.html プログラムはGAMSで…

カーボンプライシングと二重の配当についての記事

週刊東洋経済に早稲田大学の有村俊秀先生と「カーボンプライシング(炭素価格政策)」についての記事を書かせてもらいました。以下のページの記事です。 脱炭素社会への切り札、カーボンプライシング 有村 俊秀:早稲田大学政治経済学術院教授 / 武田 史郎…

大阪大学名誉教授の伴金美先生

もうかなり時間がたってしまいましたが、大阪大学名誉教授の伴金美先生が2018年12月にお亡くなりになりました。 私は研究において伴先生にいろいろお世話になりました。その縁もあり、環境経済・政策学会のニュースレターで伴先生の追悼文を書かせていただき…

国際間の排出量取引についての論文

早稲田大学の有村先生、山形大学の杉野先生と共同で執筆していた国際間の排出量取引についての以下の論文が「Envrionmental and Resource Economics」に掲載されました。 Takeda, Shiro, Arimura, Toshi H. and Sugino, Makoto (2019) "Labor Market Distort…

『環境経済・政策学事典』

丸善出版から『環境経済・政策学事典』という書籍が出版されました。環境経済・政策学会が編集者としてまとめた環境経済学、環境政策に関する事典です。 一つの項目について、2ページから4ページで解説するというスタイルです。あるトピックについて、基本的…

GAMS Studio

2018年4月11日に GAMS の 25.1.0 の Betaバージョンがリリースされました。 https://www.gams.com/beta/ その 25.1.0 Beta から「GAMS Studio」というIDE(統合開発環境)が提供されるようになりました。GAMS Studioの詳しい説明は「こちらのページ」にあり…