Google DriveからDropbox

追記 2015-01-24:
このページが最初に書かれてから1年程度経過しています。この間にGoogle DriveDropboxとも様々な変更が行われている可能性が高いので、このページの内容は現在では当てはまらないかもしれません。注意して下さい。

追記 2014-09-16:
下で「Dropbox(100GBが一月9.99ドル)」と書いていますが、現在、Dropboxは「1,000GBが月1,200円」と値下げされました。一気に10分の1程度の価格になりました。Google Driveは現在「1,000GBが月9.99ドル」ですからほぼ同じ価格です。ただし、Google Driveは100GBのプランもありますから、1,000GBも必要ない人にはやはりGoogle Driveがいいかもしれません。

先月、「DropboxからGoogle Drive」という記事で書いた通り、それまで使っていたDropboxからGoogle Driveにファイル・ストレージを移行しました。それからずっとGoogle Driveを使っていたのですが、先日Googleから次のような内容のメールが届きました。

Changes to your Google storage plan

We're contacting you because you currently pay for additional storage across Google Drive, Gmail and Google+ photos, and we wanted to let you know that we just launched new and improved storage plans. We'll automatically adjust your plan by 11 April 2014 to give you a lower rate for the same amount of storage.

Your current plan is: 100 GB for $4.99 USD per month

Your new plan will be: 100 GB for $1.99 USD per month

今、100GB一月4.99ドルの価格を、一月1.99ドルに値下げしますという連絡でした。ただでさえ安いGoogle Driveがもっと安くなるのですから、Dropbox(100GBが一月9.99ドル)との価格差はさらに大きくなります。しかし、最近、頻繁に利用するファイルについてはやはりDropboxに戻そうと思い始めました。というのは、実際、Google Driveを使ってみたところ、使い勝手がDropboxとかなり違うというか、不便に感じたからです。細かい使い勝手はいろいろ違うのですが、主に不便に感じた部分は3つあります。

問題1:同期が遅い

1つは(少なくとも私の環境では)Google Driveの同期がDropboxよりもかなり遅いということです。

「同期が遅い」というのはファイルを転送するスピードが遅いというのではなく、ファイルをアップデートしても(書き換えても)、Google Driveがそれをなかなかサーバーにアップロードしてくれないということです。意図的にこういう動作にしているのか、更新チェックの制限でもあるのか、それとも不具合なのかよくわからないのですが、Dropboxのときはファイルを編集するとすぐに同期されるのが普通でしたが、Google Driveではなかなかファイルが同期されないことが多いです。

どうしても同期してくれないときには、一度Google Driveを起動しなおすことで強制的に同期しなおすことができます。しかし、そうすると「ウェブをスキャン」、「ファイルをスキャン」という全てのファイルをスキャンする動作を一通りおこなうことになり、50GBくらいのファイルを保存している私の環境では10分くらいの時間がかかります。

私は仕事で利用するファイルをGoogle Driveで同期しています。自宅や外で仕事をすることもあるので、研究室から帰る際には作業しているファイルをサーバーと同期するのが日課です。Dropboxを利用していたときは、編集を終えて保存したファイルは(それが巨大なサイズのファイルでなければ)自動ですぐにサーバーと同期されていたので、仕事を終えたらすぐにパソコンを切って帰ればよかったのですが、Google Driveではサーバーにアップロードされていないことが非常に多いです。そこで強制同期するために再起動しなければいけなくなり、たった一つのファイルをサーバーにアップロードしたいだけで10分も待たなければいけなくなるということが最近よくあります。

Dropboxでも同期されないことはありましたが、問題に感じることはほとんどありませんでした。Google Driveではずっとこの問題に困っています。

問題2:ファイルの更新時間が表示されない

2つ目はファイルの更新時間の表記です。

DropboxでもGoogle Driveでもウェブからログインすればサーバー側におけるファイルの状況を見ることができます。そこで、ファイルの更新時間のようなものを確認できます。Dropboxならファイル名の横の「更新」という列に日時が表示されます。Google Driveでは右端の「更新情報」というところに、更新されたファイルとその時間が表示されます。どちらも時間を表示しているのですが、その意味が違います。Dropboxの方で表示されるのは文字通りファイルの更新時間(そのファイルが最後に編集されたのがいつかを示す日時)です。一方、Googld Driveの方で表示されているのはファイルの更新時間ではなく、そのファイルがサーバーにアップロードされた時間です。

私はサーバーにアップロードされたファイルとパソコン内のファイルのどちらが新しいかをチェックしたいと思うことがよくあります。その場合には、パソコン内のファイルの更新日時とサーバー側のファイルの更新日時がわからないといけないです。Dropboxではその情報がわかったのですが、Google Driveではアップロード日時しかわからないので、どちらが新しいのか比較ができないです。Google Driveは同期されにくいので、むしろGoogle Driveでこそ、サーバーのファイルとパソコンのファイルが一致しているか確認したいのですが...

普通、時間を知りたいとしたらファイルの更新時間であって、アップロードされた時間を知りたいという人はあまりいないのではないでしょうか...アップロードされた時間という情報が全く無意味ということはないのですが、できればファイルの更新時間を表示してくれたほうがありがたいです。これがやはりDropboxと比較して不便に感じた点です。

問題3:ファイルの競合チェックがおかしい?

3つ目の問題は、ファイルの競合の問題です。

サーバーと同期する前に同じファイルを複数のパソコンで編集してしまうと、変更箇所が競合することになり、単純には同期できなくなります。そこで、そのような場合にはDropboxでもGoogl Driveでも競合していることを示すファイル名が付いて、問題があることを知らせてくれるようになっています。それは両方とも同じなのですが、Google Driveはちゃんと競合のチェックがされていないような気がします。

Dropboxを使っていたときには競合が生じることがよくあったのですが、Google Driveではあまりありません。しかし、上で述べたようにただでさえ同期が遅く、ファイルが同期されにくいのですから、むしろGoogle Driveの方が競合が頻繁に起こってしまうはずなのですが...ですので、そもそも競合のチェックがちゃんとされていないのではないかという気がします。ただ、これは私の印象であって、本当にそうなのかはっきりはしていないのですが。

また、細かいことを言うと、ファイルが競合した際、DropboxではどのPCのファイルとの競合かわかるようなファイル名になりますが(ホスト名がファイル名に入る)、Google Driveでは単に競合という言葉がファイル名に入るだけなので、どのPCで作成したファイルとの競合かがわかりません。この点もDropboxの方が便利です。

他にも細かい部分では、Dropboxでは右下のタスクトレイで「最近変更されたファイル」が3つ表示されるのですが、Google Driveでは同期中にしかファイル名は表示されません。Dropboxなら、最後にサーバーにアップロードされたファイルをタスクトレイで簡単に確認できるのですが、Google Driveではウェブでログインしないとそれがわかりません。

まとめ

以上のような問題、特に1番目の同期が遅いということが、ファイルがすぐに同期されなくては困る使い方をしている私にとっては非常に大きい問題ですので、よく更新をおこなうファイルについてはDropboxに戻そうと思うようになりました。実際、現在よく更新(編集)するファイルは既にDropboxに戻していて、あらためてDropboxでは同期が速く、快適に感じています。

ただ、Google Driveが全ての面でDropboxよりも劣っているというわけではもちろんありません。なにせ価格はすごく安いですし、同期が遅いという問題も、同期の速度が遅くてかまわないという人やファイルの更新はあまりしないという人にはたいした問題にはならないと思います。私自身、更新をおこなうのは50GBくらい保存しているファイルのほんの一部にすぎませんから、ほとんどのファイルについてはGoogle Driveに保存しておくので全く問題はないです。問題なのは頻繁に更新をおこなうファイルと新たに追加するファイルについてです。

また、他の機能面でGoogle Driveの方が優れた点もあると思います。例えば、ファイルの検索という機能についてはGoogle Driveの方がずっといいのではないでしょうか。ただ、私に関してはファイルの検索を使う機会があまりないため、そのメリットを感じることがありませんでした。

DropboxからGoogle Driveへの移行を考えている人には一度Google Driveを利用してみることを勧めます。Google Driveは15GBくらいまでは無料で使えるようですので、それなりの量のファイルを試しに保存してみることができます。同期のスピードは環境や使い方にも依存するでしょうし、人によってどこまで許容できるかは違いますので、私が許容できないと言っても、他の人には十分というレベルかもしれません。

また、100GBを月1.99ドルに値下げするらしいので、一月くらい有料プランを使ってみるのもいいかもしれません。それほど高い費用がかかるわけではないですから。

ただし、ファイルの数が多いときには移行にかなり時間がかかると思います。移行するには、Google Driveフォルダにファイルをコピーして、それがサーバーにアップロードされなければいけないのですが、ファイルが多いとサーバーへのアップロードにかなり時間がかかるためです。私は50GBをGoogle Driveに移しましたが、全部が同期されるまでに、数日かかりました。ファイル数が多いためか、途中で同期が止ってしまうこともありましたので。

「DropboxからGoogle Drive」では機能についてはたいした違いはないだろうと書いてますが、「実際には結構違います」ということでした。