授業方法のアイディアについての本

このブログ2007年から書いていますから7年間くらい書いていることになります。全く更新しない月もありますから投稿の数では330程度ですが、それでもそれなりの数を書いているといっていいと思います。でも、大学の授業(教育)について書いた投稿はほとんど(全く?)ないと言ってもいいと思います。書くのは研究の話、パソコンの話、研究にも授業にも関係ない話ばかりです。

といっても、教育はしないで、研究ばかりしているわけではないです。むしろ、教育の方が使っている時間は多いのではないかと思います(夏休み、春休みの長期休暇中は別ですが)。ただ、教育に関してはここに書くようなネタがあまりないので書かないだけです。

それでも、これからはたまには教育に関連することも書きたいと思います。

とりあえず授業の進め方、やり方を考える際に私がよく参考にしている本を紹介します。

これはUCバークレーの教員達の授業の方法について紹介した本です。基になった英語版が出版されたのが1983年で、この日本語版が出版されたのが1995年ですので、かなり古い本です。もちろん、コンピュータ等のICTを利用した授業方法など全く扱っていません。それでも、授業に関係する様々な観点でのノウハウが紹介されていて、すごく参考になります。一つの授業方法を詳しく説明するというのではなく、個々の教員が実践している細かいノウハウやアイディアを多数紹介するという内容です。紹介されているノウハウとしては、例え ば、

  • 講義の終わりに1分間ペーパー(minute paper)をおこなうようにする
  • 試験の際に、参照してよいメモ用紙を1枚だけ持ち込み可能にする
  • 学生をペアにしてお互いに自己紹介させ、ついでクラス全体に自分の相手を紹介させる
  • 間違いを正し、採点された答案と一緒に「完璧」答案も学生たちに返却する
  • 最初のうちは学生たちが以前のコースで得た知識・技術でこなせるような単純な課題を出題する
  • 講義を始める前にその日の講義の目的を黒板に書く
  • 講義を10分単位で区切って構成する
  • 講義日誌をつける

というようなものです。当たり前のようなこともありますし、なんだかよくわからないようなものもありますが、本ではそれぞれのノウハウについて詳しい説明が書かれています。


これも授業の方法全般について扱った本です。大きく分けて二つの内容から構成されています。前半では、シラバスの書き方、成績評価方法、様々な授業形態のメリット・デメリット等、授業を準備する際に考えなければいけないこと全般が説明されています。シラバスなんて毎年毎年書いているのですが、改めてどう書くべきなのかを考えると実はよくわかっていません。それもありこの本は結構参考になります。

後半では、具体的な授業方法の例、特にゼミ(演習)における授業方法の例が紹介されています。昔は文系学部のゼミというと本を輪読するというような形態がほとんどだったのでしょうが、この本では違う内容がいろいろ紹介されています。

私は1~4年までゼミを担当していますので、その進め方を考えるのによく参考にしています。

大学の教員といっても、大学院で勉強してきたのは研究方法についてで、教育(方法)をまともに勉強したことなどありません。当然ですが「教員免許」というようなものを持っているわけでもなく「無免許」です。結局、自己流で授業のやり方を考えるのですが、自分で考えるといっても限界がありますし、いろんな授業方法を自分の授業で試すこともできませんから(ころころ授業方法を変えることはできませんので)、こういう本をいろいろ買って参考にしています。他にも教育方法、授業方法についての本はたくさん持っていて、おもしろい本が結構あるのでまた今度紹介したいと思います。