N. Gregory Mankiwによる「ピグー・クラブ・マニフェスト (Pigou Club Manifesto)」の要約。→Greg Mankiw’s Blog: The Pigou Club Manifesto
内容は「アメリカ政府はガソリンに対する税を上げるべき」という主張とその根拠。根拠は次の7つ。
- 環境上の理由
- 道路の混雑の緩和
- 規制の簡素化
- 予算
- 税の帰着
- 経済成長
- 国家安全保障
(1) 環境上の理由
ガソリン税の増税によってガソリンの消費が抑制される。よって、ガソリンの利用から排出される様々な汚染物質 (CO2等) が減る。
(2) 道路の混雑の緩和
ガソリン税の増税により車の利用が減り、道路混雑の緩和につながる。
(3) 規制の簡素化
ガソリン消費の抑制 (省エネルギー) を目的とした規制には既に CAFE standardがある。しかし、CAFE standard は様々な副作用ある。ガソリン税は CAFE standard と同じ目的を望ましくない副作用なしに達成できる。
(4) 予算
将来、アメリカは歳入不足におちいる可能性が高い。1ガロンに1ドルのガソリン税だけでも年1,000億ドルの歳入をもたらす。ガソリン税の増税は歳入不足の解消につながる。
(5) 税の帰着
ガソリン税増税の負担の一部は、原油価格の低下を通じ、中東、ベネズエラ等の産油国が負うことになる。(「負担の一部は産油国に転嫁されるから、その分アメリカの負担は少なくてすむよ」ということ?)
(6) 経済成長
財政学の専門家によれば、長期的な経済成長のためには所得税よりも消費税を利用するほうが良い。ガソリン税は消費に対する税であり、ガソリン税を導入する代わりに所得税を軽減すれば、経済成長にはプラスになる。
(7) 国家安全保障
石油への依存が低下すれば、中東の政治に介入する必要性も低下する。これは安全保障にはプラスの効果をもたらすだろう。
以上、要約終わり。
[注]