中国の清華大学

3月の初めに中国・北京の清華大学に行ってきました。日本・中国の温暖化対策に関するワークショップに参加するためです。中国(北京)の感想をいくつか書きます。

清華大学

うちの大学のそばにも精華大学があるのですが、字が違います(し、中身も全然違います)。昔、清朝の時代の庭園があった場所に作られたそうです。それもあって、きれいな場所です。学生はみな敷地内の寮に住んでいて、寮もたくさんあるので、とても広いです。ホテルが大学の敷地内にあり、それに泊まりました。以前に北京の近くの大学(中国地質大学)に来たときも、上海の大学(華東師範大学)に行った時も、大学内にホテルがあり、そこに泊まりました。大学内にホテルがあると便利でいいです。

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□ 電動のバイク

ガソリンのバイクはほとんど走っていなくて、電動のバイクばかり走っていました。安全性の面から北京ではガソリンのバイクは規制されているそうです。大学の敷地内も道路が通っているので、バイクが多いのですが、電動のバイクは全然音がしないのにスピードはすごく速いのでおっかないです。むしろ事故が増えそうな気もします。

バイクは寒いせいか、防寒具を着てのっている人が多いです。下の写真のようなものです。ちょっと見た目がいまいちですが、これなら暖いですね。

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□ 大気汚染

中国は冬の大気汚染が有名です。最近、大気汚染対策に力を入れるようになり、それもあり北京では大気汚染がかなり改善されたというニュースを日本にいるときに見ました。実際のところどうだったかというと、以前よりはずっと改善したそうですが、まだ完全になくなったわけではないです。天気や風向きなどで変わるようですが、1日目、2日目を除いて空気は悪く、遠くはかすんでいて全然見えませんでした。北京の人は慣れてしまっているせいか、ほとんどマスクをしていないですが、のどが弱い人ならマスクしないとだめだと思いますし、人によっては気分が悪くなったりすると思います。私はマスクしていなくても平気でしたが。

下の写真は朝の写真ですが、曇っていて遠くが見えないです。

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これは夕方

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北京空港。遠くが見えないです。

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夜。空が赤いです。

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電子マネー

中国の若い人たちの多くは支払いに電子マネーを利用しているようです。大学の学食でも支払いは電子マネーのみ対応というところが多かったです。ホテルのロビーの自動販売機のコーヒーが飲みたかったのですが、これも電子マネーのみ対応なので飲めませんでした。

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電子マネーが普及しているのは、便利ということもあるでしょうが、偽札の防止という理由も大きいようです。私はどの店でも現金しか使わなかったのですが、100元などの大きい札を渡すと透かしをチェックしたりして偽札かどうかチェックされることが多かったです。

電子マネーといっても、日本のスイカやエディのように事前にチャージしておくタイプのものとは違い、使った時点ですぐに銀行口座から引き落される仕組みのようです。WeChatPayやAlipayというものだそうです。私も使ってみたかったのですが、中国の銀行口座を持っていないと登録できないようなので、日本人の短期滞在者が使うのは難しそうです。とにかくなんでもスマホで支払いするので、スマホを失くしたらかなり困ると中国人は言っていました。

□ セキュリティーチェック

あちこちでセキュリティーチェックが厳しかったです。地下鉄に乗るときもチェックされます。ラッシュアワーのときにはすごい混雑になりそうです。

□ ネットのサービス全般

中国では使えないネットのサービスが多いです。例えば、以下のサービスが利用できません(アクセスできません)

私は日本では普段 Google のサービスや Dropbox を常用しているのでこれはかなり困ります。スマホAndroid なので、普段利用しているアプリで使えないものが多いです。日本にいるときにはあまり意識していませんが、普段いかに Google に依存した生活になっているかを実感しました。

Apple のサービスは規制されていないようなので、iPhone 使いの人は被害が少ないと思います(メールや地図が問題なく利用できるようです)。

□ 検索サービス

普段なんでも Google で検索しているので、Google の検索が使えないとなるとかなり不便に感じます。Yahoo Japanの検索も利用できないです。ですので、使える検索というと「マイクロソフトの Bing」 や「中国の百度(Baidu)」ということなります。ただ、この二つと Google の検索は大きく違います。

Bing は日本語のページの検索もできますが、普通に検索すると中国語のページばかり結果に表示されます(中国版になってしまうようです)。百度についてはページ内の説明なども全部中国語ですし、検索結果に日本語のページがほとんど出てこないので、これも日本のページの検索には不便です。中国語のページを検索するのなら、百度で全然問題ないと思います(もちろん、検閲により見えないページもあると思いますが)。

ちなみに、百度で「武田史郎」で検索すると、日本の RIETI のページが出てきます。なぜ、RIETI のページが出るのかと思ったら、RIET は中国語のページも作成していて、私の論文がそこに置いてあるからです。「貿易政策を対象とした応用一般均衡分析」というタイトルは中国語では「以贸易政策为对象的应用一般均衡分析」となるようです。ただ、日本語の論文なので、タイトルだけ中国語にしても結局読めないと思いますが。なぜわざわざ中国語のページを作成しているのでしょう?

Androidスマホ百度のアプリを利用するのなら、日本にいるときにインストールしておく方がいいです。中国では Google Play にアクセスできないので(中国人はどうやってインストールしているのでしょう? 不思議です)

□ 翻訳サービス

翻訳のサービスも普段は Google 翻訳を利用していますが、使えません。翻訳については百度の翻訳がそれなりに使えます。ただし、「日←→中」の翻訳はあまり精度が高くないです。「英←→中」だとかなり正確に翻訳できるようなので、英語がわかるのなら「英←→中」を使うほうがいいかもしれません。

□ 地図

中国で使うのなら百度の地図はかなり便利だと思います。ただし、百度の地図では表示や入力が基本的に中国語になるので、少しは中国語がわからないと使えないと思い ます。

□ 無料のwifi

お店、喫茶店など無料の wifi を提供しているところが多いのですが、その際の認証に WeiBo(微博)や WeChat などを利用しているところがありました。無料の wifi を利用したいのなら日本にいるときに Weibo や WeChat に登録し、アプリを入れておくといいかもいしれません。

□ 食事

大学外ではほとんど食べなかったので、大学外の食事はよくわからないです。大学内での食事について書きます。清華大学には学食がいくつもありましたが、どれも料理の種類がすごく多くて、充実していました。しかも、値段も安かったです。中国で中華料理というと一品料理が多いですが、学食では大きいお皿にいろいろ頼んで少しずつ食べるというような形で食べている人が多かったです。学食とは別に大学の敷地内に、普通の中華料理屋のようなレストランもいくつもありました。中華料理が好きな人にはすごくいいです。ただ、中華料理ばかりというわけではなく、マクドナルドのようなファストフード店やカフェも校内にいろいろありました。

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□ 中国語

大学の先生や学生は英語を話せる人が多いので問題ないですが、そうじゃない人は英語が通じない人が多かったです(大学の食堂や売店の人など)。例えば、食堂の店員に「メニュー」と言っても通じない等です(メニューなら菜単cai danで通じますが)。大学の人以外とやりとりするのなら、やっぱり少しは中国語を覚えておかないとスムーズにはいかないですね。私も中国はもう7回目でしたので、やっと少しは中国語を覚えました。