排出量取引制度に関するCGE分析の論文

Shiro Takeda, Toshi H. Arimura, Hanae Tamechika, Carolyn Fischer, Alan K. Fox, (2013) "Output-based allocation of emissions permits for mitigating the leakage and competitiveness issues for the Japanese economy" という論文が Environmental Economics and Policy Studies に掲載されました。 http://dx.doi.org/10.1007/s10018-013-0072-8にあります。

温暖化対策(CO2の削減)の議論において、規制国企業の国際競争力や炭素リーケージに対する影響がよく問題になります。つまり、温暖化対策を導入する国では企業が負担する費用が上昇し、競争力が失なわれてしまう。さらに、それにより海外の企業の生産が増加する結果、海外におけるCO2排出量が増加してしまうという問題です。

この論文は、排出量取引における排出枠(排出権)の初期配分の方法によって、企業の国際競争力や炭素リーケージがどのような影響を受けるかを分析したものです。具体的には

  • オークション方式
  • グランドファザリング方式
  • OBA(output-based allocation)方式
  • オークションとOBA方式の組み合わせ
という4つを比較しています。

応用一般均衡モデルを用いて、配分方法の変更によって企業の国際競争力や炭素リーケージがどのような影響を受けるかを定量的に分析しています。