動学的最適化問題

今日、上智でワークショップがあり、早稲田の赤尾先生の論文のコメンテイターをしました。排出権取引についての理論分析の論文でしたが、その中で最適制御理論によって動学的最適化問題を解くという手法が使われていました。ハミルトニアンを作って、うんぬんというものです。

動学モデルを多用するマクロ経済学ではよく使われるのでしょうが、私は普段そういった手法を使うことがないので、論文を読むの大変でした。ただ、大学院のときに一通りは勉強していたので、昔使ったテキスト参考にしながら復習しました。今、どういうテキストが使われているのかよく知りませんが、私が大学院にいた10年ちょっと前くらいには、 Alpha C. Chiangの

が、代表的なテキストだったと思います。あとは、Barrow and Sala-i-Martinの

の数学付録もわかりやすかったなあと記憶しています。Barro and Sala-i-Martinは経済成長論のテキストですが、動学モデルを扱うときにいろいろ参考になるので、今でもよく読みます。

他にも動学モデルの解法で、dynamic programmingがありますが(Bellman方程式がどうのこうのいうやつ)、これは勉強したことないんで、全然知りません。

あと、全然関係ないですが、Barro and Sala-i-Martinに「モデルが成長率一定のsteady stateを持つには、技術進歩はHarrod neutral(labor augmentingな技術進歩)でなければならない」と書いてある一方で、steady stateを仮定することが多いマクロ経済学でHicks neutralな技術進歩が仮定されることがあるのはなぜなのか未だに不思議に思います。矛盾しているんじゃないかと思うのですが。