静学的CGEモデルにおける貯蓄と投資の決め方

普通、理論分析で静学的な一般均衡モデルを扱うときには貯蓄・投資は考慮しません。しかし、CGE分析では静学モデルであっても貯蓄・投資を考慮する必要があります。というのは、

  1. CGE分析ではベンチマークデータを利用する。
  2. ベンチマークデータは現実の経済のデータなのだから当然貯蓄・投資が含まれる。
  3. データに貯蓄・投資があれば、なんらかの形でモデルで考慮する必要がある。

という理由からです。

そもそも貯蓄・投資は動学的な行動からもたらされるものです。従って、時間軸を考慮していない静学モデルに貯蓄・投資を組み込むとなると何らかの特殊な想定をする必要がでてきます。

これについては様々な方法があって、どの方法がよいというコンセンサスは今のところないようです。まあ、もともと動学的行動である貯蓄・投資を無理やり静学モデルで扱うのですから、どんな方法をとったとしても不完全にならざるを得ないのがある意味当たり前ですが。

その静学的CGEモデルでの貯蓄・投資についての簡単なまとめ。

https://www.listserv.dfn.de/sympa/arc/gams-l/2008-09/msg00045.html

参考になります。これもともとはCGEモデルでよくでてくる"investment driven", "saving driven"という用語の意味がよくわからないというトピックだったのですが、最後に簡単なまとめをしてくれています。